
文理融合型思考のおもしろさ。
社会情報学部は文理融合型の学部です。実は、私自身、文理融合型をうたい文句として新設された慶應義塾大学工学部の「管理工学科」に入学しました。
文理融合的思考の特長は、「あらゆるものごとを、さまざまな要素で構成される“システム”として見る」ということです。「システム」というのは、ものごとの成り立ちやその変動過程を、構成要素間の論理・数理的な関係として表現するということです。ものごとを「システム」としてとらえると、複雑に見える現象も単純な構造として表され、そこに潜んでいる様々な「問題」がよくわかって、その解決のための手だてもわかってくるのです。
その後、私自身は、「人間」そのものに強い関心がありましたので、アメリカのワシントン大学大学院で心理学を学びました。そこでも、人間の心(マインド)をシステムとして考えるという考え方が大いに役立ちました。帰国してからは、心(マインド)の研究を、心理学、言語学、計算機科学、社会学などの総合科学として行う「認知科学」を普及・発展させるために尽力してきました。
「文理融合型」思考は、ともかくおもしろいです。「ものごとを考える」ということが楽しくてたまらなくなります。もちろん、それは、ほんとうに「ためになる」のです。一生使える有力な「武器」になるのです。



この本は1986年に刊行された同名の著書の新装版です。本文は全く同じですが、あらたに解題『我が国に「認知革命」は起こったのか』が付け加えられています。はじめて読まれる方はこの解題から読まれることをお勧めします。「認知科学」が日本でどのように発展してきたかがわかります。本文は、「認知科学」という領域にかぎらず「おもしろい」研究をするためのコツとヒントが示されており、社会情報学の学徒にも大いに役立つものと思われます。